「予算」アプリに登録された営業担当者ごとの月別予算と、「受注実績」アプリに登録された当月の受注データをあわせて、「予実管理」アプリに月ごとの受注金額合計と、予算に対する進捗率を記録する方法をご紹介します。
Job Runnerを利用する前には、次の記事も併せてご覧ください。
Job Runnerを利用するとき、初めにすること : ジョブへのスロット割り当てについて
完成したカスタマイズを実行した後のイメージ
<予実管理アプリ>
アプリの構成
今回のカスタマイズを作成するのに必要なアプリの構成は次の通りです。
予算アプリ
フィールドを次のように用意します。
※フィールド名とフィールドコードは同一の値を指定しています。
詳細画面
一覧画面
受注実績アプリ
フィールドを次のように用意します。
※フィールド名とフィールドコードは同一の値を指定しています。
詳細画面
一覧画面
予実管理アプリ
フィールドを次のように用意します。
※フィールド名とフィールドコードは同一の値を指定しています。
「当月予算進捗」は、カスタマインで計算を行うため、数値フィールドで設定しています。
続いて、各アプリにて以下の権限で API トークンを作成しておきます。
やりたいこと
定期実行タスクで指定した日時に以下の処理を実行します。
1. 「予算」アプリから担当者ごとの予算金額を取得します。
2. 「受注実績」アプリから当月の受注実績を担当者ごとに取得し、集計します。
3. 「予実管理」アプリに、取得した当月の予算と、集計した受注実績を追加します。
ここでは、定期実行タスクを「毎日」に設定するため、ジョブが動くたび(毎日)「予実管理」アプリにレコードが追加されます。
では、詳しく手順をみていきましょう。
kintone 接続設定を行う
やること「kintone接続設定を行う」、条件「実行予定時刻になった時」「他のアクションの実行が完了した時」を使い、「予算」アプリ「受注実績」アプリ「予実管理」アプリに対して接続設定を行います。
処理を開始した日の月初の日付を取得する
「予算」アプリの今月の予算を取得したいので、ここでは、処理を開始した日の月初の日付を取得します。
「予算」アプリから担当者ごとの予算金額を取得する
今回は「予算」アプリに登録されている全担当者ごとの予算金額を取得するため、「全レコードを取得する」を使います。
※「条件を組み立ててレコードを取得する」などを使い、『2025年度』の営業担当者分だけを集計対象として絞り込むことも可能です。
やること「テーブル行をレコードとして取得する」、条件「レコード1行が準備できた時」を使います。
これは、「全レコードを取得する」で取得したレコードの中から、1レコードが準備できる度にテーブル行を取得したいので、条件は「レコード1行が準備できた時」を使います。
なお、「レコード取得アクション」は、アクション番号5番の「全レコードを取得する」を指定します。
次に、取得した「予算」アプリのテーブル行の中から、当月の予算を絞り込みます。
やること「取得したレコードを絞り込む」、条件「レコード全行が準備できた時」を使います。
これは「テーブル行をレコードとして取得する」で取得したレコードが全て取得完了し、カスタマイズで使用可能な状態になったタイミングで絞り込みを行いたいためです。
なお、「レコード取得アクション」は、アクション番号6番の「テーブル行をレコードとして取得する」を指定します。
担当者ごとの受注金額を集計する
続いて、「受注実績」アプリから担当者ごとの当月の受注実績を取得します。
やること「条件を組み立ててレコードを取得する」、条件「他のアクションの実行が完了した時」を使います。
以下2つの条件を満たしたレコードを取得しています。
「受注日」が「今月」
「営業担当」が、アクション番号5番の結果の営業担当氏名
「条件を組み立ててレコードを取得する」で取得した受注金額を、担当者ごとに集計します。
ここでは、「条件を組み立ててレコードを取得する」で取得したレコードが全て取得完了した状態で、合計値を算出します。
そのため、やること「レコード中のフィールド合計値を計算する」、条件「レコード全行が準備できた時」を使用します。
また、「受注実績」アプリにて、当月のその営業担当の受注実績がない場合(対象のレコードがない場合)は合計値の計算が必要ないので、追加の条件「レコード件数が1件以上ならば」を使用します(※「レコード件数が0件ならば」を反転して設定します。参考:追加条件は反転できます)。
「予算」アプリ「受注金額」アプリで取得した結果を「予実管理」アプリに追加する
最後に、担当者ごとの予算や受注金額の集計結果を、「予算管理」アプリに追加します。
アクション番号8番の「条件を組み立ててレコードを取得する」でレコードを取得できたか、取得できなかったかに応じて、アクションを2つ設定します。
レコードを取得できた:「受注実績」アプリにて、当月のその営業担当者の受注実績がある
→「当月受注合計」に合計値を計算した結果「$9」をマッピングする
レコードが取得できなかった:「受注実績」アプリにて、当月のその営業担当者の受注実績がない
→「当月受注合計」と「当月予算進捗」に、”0”をマッピングする
それぞれのマッピングは、下記の通りです。
アクション番号「10」
アクション番号「11」
当月受注合計と当月予算進捗は、当月の受注金額がないため、”0”とします。
これで、定期実行タスクのアクションの設定は終了となります。
アクショングラフは次のようになります。
併せて参考にしてください。
スケジュール設定
最後に定期実行タスクのスケジュールを設定します。
Job Runnerの画面上部「ジョブ生成・設定」ボタンの「スケジュール設定」タブで、動かしたいスケジュールを設定してください。
スケジュール設定については、次の記事の定期実行タスク:「スケジュール設定」も併せてご覧ください。
おわりに
今回は3つのアプリを使用して、「予実管理」を実現するカスタマイズを作成してみました。
決まったタイミングで集計したい処理については、Job Runnerの定期実行タスクを使って頂くのがおすすめです。
ぜひ、こちらを参考にいろいろな集計をJob Runnerでも挑戦してみてください!
ご不明点等ございましたら、チャットにてご質問ください。