はじめに

2021年4月8日版で新たに追加されたやること「なにもしない」。一見するとエイプリルフールのために作ったかのように見えますが、実は使いこなしていただくととても便利です。

こちらの記事では「なにもしない」によって解決できることと具体的な使い方をご紹介します。なお、この記事は主に kintone アプリのカスタマイズを想定して書いていますが、Job Runner 用にも「なにもしない」は追加されており同じように使っていただくことができます。


「なにもしない」の活用シーン

概要

やること「なにもしない」は

【何らかの条件に一致する時だけ処理A を実行し、その後は「一致した場合」「一致しなかった場合」両方の処理が合流して処理 B を実行したい】

というときに活用いただけるものです。

例として以下のような要件を想定します。


要件

  1. 「休暇申請」アプリでの申請時に「社員マスタ」アプリから自身の「有給取得済日数」を取得し、5 日未満であった場合には有給取得を促すダイアログを表示する。

  2. 「休暇申請」アプリでの申請時にレコード「保存」ボタンを押した後に、プロセス管理の「申請」ボタンを押し忘れる人が多いため、「保存」したら自動的に申請するようにしたい

このような処理を作成する場合、

  1. 有給取得済日数が 5 日を越えている場合
    ダイアログ表示は要らないが、その後「保存」した際には自動で申請したい

  2. 有給取得済日数が 5 日より少ない場合
    ダイアログ表示を行い、その後「保存」した際には自動で申請したい

というように、分岐した後にどちらのケースでも最終的には「レコード保存時の申請自動化」という同じ処理を行います。

「なにもしない」を使わない場合

上記の要件を「なにもしない」を使用せずに作成すると以下のような処理となります。

また、処理の流れを図示すると以下のようになります。
(これはカスタマインのアクショングラフに説明を追記したものです)    

「確認ダイアログの表示」以降の処理はどちらの分岐でも発生します。そのため、作成するアクションの数を少なくしたいのですが、従来は良い方法がありませんでした。


「なにもしない」を使った場合

今回、「なにもしない」が追加されたことにより上記のカスタマイズを以下のようにシンプルに作り変えていただくことが可能です。

合流して後の同じ処理をひとまとめで作成することができました。

また、処理の流れを図示すると以下のようになります。

いかがでしょうか。かなりスッキリしたと思います。

 

まとめ

以上でなにもしないを活用して処理をシンプルに作成する方法のご紹介を終わります。

今回は合流した後の処理が 2 つだけでしたが、合流後の処理の数が多ければ多いほどなにもしないの重要性を感じていただけると思います。是非お試しください!


また、もし分からないことがありましたら、Customineヘルプサポートもぜひご活用ください。