一覧画面でレコードを絞り込む際、kintoneの基本機能の絞り込みボタン(ろうとのマークのボタン)を押さずにもっと楽に絞り込めたらな、ということありませんか?
この記事では顧客名のプルダウンメニューから値を選択すると、
次のように絞り込み表示を行う
といった、プルダウンでの絞り込みを実現するカスタマイズをご紹介します。
アプリの設定
kintoneのアプリストアより「営業支援パック」をアプリに追加します。
今回使用するアプリは
・活動履歴(営業支援パック)
・顧客管理(営業支援パック)
の2つになります。
「活動履歴(営業支援パック)」で使用する一覧画面
一覧画面は次の3つの画面「活動一覧」「検索用一覧」「検索結果要一覧」を作成してください(絞り込みなどの条件は全て不要となります)。
また、今回のカスタマイズは上記一覧画面のうち、「検索用一覧」でプルダウンを選択して「検索結果用一覧」で結果を表示するといったカスタマイズにします。
なぜ、一覧画面を複数設定しているのかについては、後ほど「注意点・制約」の箇所にて詳しく記載します。
カスタマイズ例
具体的なカスタマイズは次のようになります。
「顧客管理(営業支援パック)」アプリからレコードを取得
やること「全レコードを取得する」、条件「一覧画面を表示した時」で後に設定するプルダウンの選択肢のレコードを取得します。
「やること」のパラメータは
取得先アプリ:顧客管理(営業支援パック)
とします。
また、条件は「一覧画面を表示した時」に加えて追加の条件として「現在の一覧が指定の一覧ならば」を設定しています。
これは後ほど「注意点・制約」の箇所にて詳しく記載しますが、「顧客管理(営業支援パック)アプリ」のレコードからプルダウンを作成する場合、条件を「一覧画面を表示した時」だけで指定するのではなく、追加条件「現在の一覧が指定の一覧ならば」を併用するなどして、特定の条件となった時のみプルダウンを作成することを強く推奨します。
プルダウンを作成する
やること「レコードを選択するプルダウンをメニュー位置に配置する」、条件「他のアクションの実行が完了した時」でプルダウンを作ります。
「やること」のパラメータは
場所:一覧画面メニューの下側
ラベル:顧客名
レコード:1
表示するフィールド:顧客名
最小値:150
最大値:<入力されていません>
未選択を表す「-----」:追加する
とします。
遷移するかを確認ダイアログで決める
やること「確認ダイアログを表示する」、条件「プルダウンの選択を変更した時」で確認ダイアログを表示します。
「やること」のパラメータは
メッセージ入力:
プルダウンで選択した「顧客名」の一覧に遷移します
よろしいですか?
OKボタンの名前:OK
キャンセルボタンの名前:キャンセル
とします。
プルダウンで選択した条件で遷移する
やること「条件で絞り込んだ一覧画面に遷移する」、条件「確認・入力ダイアログで「OK」を押した時」でプルダウンで選択した条件で遷移します。
「やること」のパラメータは
遷移先アプリ:活動履歴(営業支援パック)
一覧の名前:検索結果用一覧
タブ:同じタブで開く
検索条件:顧客名 = “${$4.顧客名}”
とします。
全体のカスタマイズ
全体のカスタマイズは次のようになります。
実際のカスタマイズ操作例
1.一覧画面を表示します。
2.プルダウンから顧客名を選択します。
3.確認ダイアログで「OK」を選択します。
4.絞り込まれた一覧画面が表示されます。
注意点・制約
カスタマイズの条件について
前述の「「活動履歴(営業支援パック)」で使用する一覧画面」と「「顧客管理(営業支援パック)」アプリからレコードを取得」の箇所の詳細になりますが、多くのユーザーが毎日必ず利用するようなアプリの一覧画面で、毎回大量のレコードを取得してプルダウンを作成するカスタマイズはお勧めしません。
というのも、プルダウンの作成には、元になるレコード取得が必要になるからです。
元になるレコード取得で大量のレコードを取得するような処理や、レコードの取得が頻繁に行われてしまうような条件(例えば、ある程度の人数のユーザーが頻繁に見る一覧画面で毎回プルダウンを表示するような形)でカスタマイズを作成してしまうと、一覧画面を開くたびにレコードの取得処理が行われるため、結果として次のような問題が発生する恐れがあります。
kintone の API 利用回数制限を越えてしまう
カーソル API の同時利用数制限を越えてしまう
そのため、以下のようなアクションの作成は行わないことを強く推奨します。
条件を「一覧画面を表示した時」のみで設定してしまったため、一覧画面が表示される都度、プルダウンの表示処理が行われる
条件「一覧画面を表示した時」「現在の一覧が指定の一覧ならば」を併用したが、指定の一覧に一番上の一覧を表示するように設定してしまったため、一覧画面が初期表示される都度、プルダウンの表示処理が行われる
そしてプルダウンを作成する際は次のどちらかのような形で動作するアクションを作成してください。
二番目以降の一覧を開いたときに動く
ボタンを設置してボタンが押された時に動く
おわりに
この記事では、やること「レコードを選択するプルダウンをメニュー位置に配置する」で絞り込んだ一覧画面に遷移する方法をお伝えしました。
ぜひ、あなたのkintoneアプリに思うようなカスタマイズを入れて、kintoneアプリをより使いやすくしてみてください!
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Customineドキュメントやサポートページも、ぜひご活用ください。