Customineを使うと、保存したレコードの内容を自動的に他のアプリに転記したり、テーブルの中身を別アプリのレコードにしたりといった、「レコード」に関連するカスタマイズを簡単に作成することが出来ます。


ただ、レコードに関する「やること」はこれだけの種類があるので、どれを利用したらいいか迷ってしまうケースもあるかと思います。


ここでは、実現したいカスタマイズ、具体的にはレコードの追加および更新に注目して、どの「やること」を利用すればいいかの判断基準をご紹介したいと思います。


(高度なカスタマイズ以前に、「そもそもレコードとは?」という方には、こちらのカスタマイズの考え方のヒント・ガイド)を、先に一読されることをお勧めします。)


利用可能な「やること」一覧


利用するやること

更新対象レコード
指定方法

追加
or
更新

レコードを追加する

なし

追加

テーブルデータをセットしたレコードを追加する

なし

追加

レコード指定


レコードを更新する(キーの値をフィールドで指定)

キー指定(フィールド)

更新

レコードを更新する(キーの値を直接指定)

キー指定(値)

更新

レコードをもとに別のレコードを更新する

キー指定(フィールド)

更新

レコードを更新または追加する(キーの値をフィールドで指定)

キー指定(フィールド)

追加or更新

レコードを更新または追加する(キーの値を直接指定)

キー指定(値)

追加or更新

レコードをもとに別のレコードを更新または追加する

キー指定(フィールド)

追加or更新

レコードを書き出す

レコード指定

追加or更新

テーブル行を別アプリのレコードへ書き出す

テーブル指定

追加

テーブルに行を追加する

なし





やること(自アプリへの取り込み)

元レコード指定方法


他のアプリからフィールドの値をコピーする

キー指定(フィールド)


レコードをテーブルに書き出す

レコード指定



レコードを追加/更新することのできる「やること」は上記のとおりです。それぞれ「更新対象レコード指定方法」と「追加なのか更新するのか」によって、使い分けることが出来ます。


「追加or更新」列は、文字通りレコードを追加するだけか、更新も可能かが表記されています。


空欄のケースは、レコード追加または編集画面で利用できる「やること」になります。テーブルに追加したあと、利用者がレコードを保存する、といった流れになるかと思います。


「更新対象レコード指定方法」とは?

「更新対象レコード指定方法」とは、レコードを更新できる「やること」の場合で、更新するレコードをどのように指定するかという方法を説明しています。


以下、各パターンをご紹介します。


【キー指定(フィールド)】のパターンを利用すべきケース

レコードを更新する(キーの値をフィールドで指定) などが該当するやることになります。


これらのやることは「更新対象レコード指定方法」が「キー指定(フィールド)」ですので、

  • カスタマイズしているアプリの、現在編集(表示)しているレコードの
  • あるフィールドの値を利用して
  • 別アプリまたはこのアプリのレコードを更新する

というカスタマイズが作成できることになります。

例えば、顧客IDというフィールドを持つ問合せ管理アプリを開いていて、保存した時に顧客IDを使って、顧客アプリのレコードを更新する、というような動きですね。


【キー指定(値)】のパターンを利用すべきケース

レコードを更新する(キーの値を直接指定) などが該当するやることになります。

これらのやることは「更新対象レコード指定方法」が「キー指定(値)」ですので、より柔軟に更新時のキーを指定できるやり方です。キーを自由に作成できるため、ほぼどのようなケースでも意図したレコードの更新が可能になります。その分、各アプリでのキーの持ち方や作成方法はよく検討する必要があります。


これらのパターンを利用することで、

  • カスタマイズしているアプリを開いている利用者の権限で
  • 更新するキーの値を指定(作成)し
  • 別アプリまたはこのアプリのレコードを更新する

というカスタマイズが作成できることになります。

利用者の権限では見えないフィールドやアプリの情報は、キーの作成には利用できないことにだけはご注意下さい。

更新するキーの値を任意に作成することが出来ますので、フィールドに保存されている値やそれらを結合した結果に限らず、例えば今日の日付・ログイン名・他のアクションの結果などなど、どのような値でもキーに利用することが出来るレコード更新手段になります。


例えば、申請書IDというフィールドを持つ予算申請アプリを開いていて、別の利用実績アプリに「今日の日付(YYYYMMDD)と申請書ID」をキーにレコードを追加・更新する、というようなカスタマイズが作成可能です。


【レコード指定】のパターンを利用すべきケース

レコードを書き出す などが該当するやることになります。


これらのやることは、「クエリで条件を指定してレコードを取得する」など、レコードを取得するアクションで取得したレコードを利用します。


レコードの取得方法には、これ以外にも「テーブル行をレコードとして取得する」や「一覧で選択されたレコードを取得する」、「関連レコード一覧の条件でレコードを取得する」などなど、色々な方法があります。

Customineでは、このように様々なものをレコードとして取り扱うことが可能です。これらの方法で取得したレコードをそのまま、もしくは値を書き換えながら、別のアプリや同じアプリに書き出すことが可能です。


これらのパターンを利用することで、

  • カスタマイズしているアプリを開いている利用者の権限で
  • いづれかのアプリからレコードを取得し
  • 値を変更しながら
  • 別アプリまたはこのアプリにレコードを追加・更新する

というカスタマイズが作成できることになります。


利用者の権限では取得できないレコードについては、書き出し元として取得できないことに注意して下さい。


例えば、一覧にチェックボックス列を追加するを使って、一覧画面で選択されたレコードを別のアプリに書き出す、というようなカスタマイズが作成可能です。


「やること(自アプリへの取り込み)」を利用すべきケース

ここまで、カスタマイズしているアプリから別アプリや同じアプリのレコードとして追加・更新するやることをご紹介してきました。最後に「やること(自アプリへの取り込み)」のパターンをご紹介します。


これはいわゆるkintone 標準機能のルックアップのようなもので、現在編集中の画面に他のアプリのレコードの値や、フィールドの値を取得するパターンです。

また、テーブルに別アプリのレコードを追加したり、といったカスタマイズも可能です。


まとめ

実現したいカスタマイズによって、適切な「やること」を選択していただき、思い通りのカスタマイズを作成して下さい!


もしどの「やること」を選択すべきか、よく分からない場合には、チャットサポートまでお気軽にお問い合わせいただければ幸いです!