やること「一覧から指定の選択肢を消す」で消す対象に指定しても、選択肢から一覧が消えずに表示される場合があります。

ドキュメントにも記載がありますが、一覧の一番上の選択項目を消しても、「アプリへのリンク」から画面遷移してきた場合は、消す前に一番上にあった選択項目で一覧が表示されるため消えずに表示されます。


このような一覧が作成されている場合:



「営業1課」の一覧を非表示に設定したとしても、



アプリへのリンクから遷移してくると、一番上に作成されている「営業1課」は表示されたままになります。



一度「営業2課」を選び「営業2課」の一覧に遷移すると、「営業1課」の選択肢は消えます。




回避方法例:


ユーザー別に初期表示一覧を設定と、やること「一覧から指定の選択肢を消す」を組み合わせ、一番上に配置されている選択肢を非表示にする方法をご紹介します。

今回の例では、ログインユーザーの所属組織によって表示する一覧を変更します。


処理の流れは下記です。

  1. 「アプリへのリンク」からアプリに遷移してくると、kintoneアプリの一覧で一番上に作成されている一覧が表示される

  2. 一覧「遷移用」が表示されたら、ログインユーザーの所属組織ごとの一覧「営業1課」「営業2課」へ遷移させる

  3. 遷移先の所属組織ごとの一覧「営業1課」と「営業2課」で、不要な一覧を非表示にする


このようなカスタマイズを加えることで、「アプリへのリンク」からアプリに遷移した直後に一覧「遷移用」から他の一覧「営業1課」「営業2課」に遷移させることで、手動で表示する一覧を変更した時と同じ状況を作り出し、非表示にしたはずの一覧が表示されてしまう状況を回避します。



アプリの準備


やること「一覧から指定の選択肢を消す」ではkintoneアプリの設定の作成済みの一覧で、一番上に画面遷移用の一覧を作成します。

今回は「遷移用」という名前の一覧を作り、一番上に表示されるように移動しておきます。




Customineでのカスタマイズ


アプリ「担当営業課ごとの一覧」のカスタマイズを作成します。


ログインユーザーの所属組織を取得する



やること


所属組織によって遷移する一覧を変えるため、ログインユーザーの所属組織を取得したいので「所属組織を取得する」を選択します。

セット先フィールドは指定しません。


条件


一覧画面を表示した時」を指定します。

このアクションは、遷移の処理、選択肢を非表示にする処理の両方で使用します。


遷移用の一覧が表示された時、かつ所属組織が「営業1課」の時は一覧「営業1課」に遷移する



やること


一覧「遷移用」が表示されると、他の一覧に自動的に遷移させたいので「レコード一覧画面に遷移する」を選択します。

遷移先アプリは今カスタマイズを行っているアプリ「担当営業課ごとの一覧」を指定します。

遷移先の一覧の名前は「営業1課」、タブは「同じタブで開く」を指定します。


条件


ログインユーザーの組織取得が終わってから処理を行いたいので「他のアクションの実行が完了した時」を選択します。

アクションはログインユーザーの取得を行った「1」を指定します。


さらに、遷移用の一覧の時だけ遷移したいので「現在の一覧が指定の一覧ならば」を選択します。

一覧の名前は「遷移用」です。


また、ログインユーザーの所属組織が「営業1課」の時に一覧「営業1課」に遷移したいので、「指定のグループ・組織に所属するならば」を選択します。

ユーザーが所属しているグループ/組織は組織を取得したアクション「1」、グループコード/組織コードはあらかじめcybozu.com共通管理の組織とユーザーの設定で設定しておいた、組織コード「営業1課」を指定しました。


同様に、営業2課の場合のカスタマイズも作成します。




ここまでで、遷移の処理は完了です。

ここからは「営業1課」「営業2課」の一覧に遷移してからの処理です。


所属組織が「営業1課」の時、他の一覧を非表示にする



やること


ログインユーザーの所属組織が「営業1課」の時は他の選択肢を消したいので「一覧から指定の選択肢を消す」を選択します。

一覧の名前には、消したい一覧「営業2課、遷移用、(すべて)」を指定しました。


条件


ログインユーザーの組織取得が終わってから処理を行いたいので「他のアクションの実行が完了した時」を選択します。

アクションはログインユーザーの取得を行った「1」を指定します。

また、ログインユーザーの所属組織が「営業1課」の時に他の一覧を消したいので「指定のグループ・組織に所属するならば」を選択します。


同様に、営業2課の場合のカスタマイズも作成します。




以上でカスタマイズは完了です。

「kintoneアプリへ登録」を行い、実行確認してみてください。


所属組織が「営業1課」のユーザーでログインし、アプリにアクセスするとまず「遷移用」一覧が表示され、自動的に一覧「営業1課」に遷移します。

選択肢を確認すると、下記のように「営業1課」の選択肢のみが表示されるようになりました。