kintoneでCSV出力を行った場合、「ユーザー選択」フィールドの値は、ユーザーの名前では無く、ログイン名(ログイン時に使うID)が出力される仕様になっています。

そのため、CSVファイルを見ても名前が分からず、ユーザーを判別しにくいという事があります。


今回は「ユーザー選択」フィールドで選択したユーザーの名前を自動的に別のフィールドにコピーするカスタマイズを行い、CSVにユーザー名が出力されるようにします。


Customineの基本的な事柄は、こちらの「はじめてのカスタマイズ」をご参照ください。


利用想定シーン

今回は「ユーザー選択」フィールドで選択した担当者名を、「文字列(1行)」フィールドの「担当者(表示用)」にコピーするカスタマイズを作成します。


アプリのフォームは以下の通りです。


「ユーザー選択」フィールドのフィールドコードは以下のように設定しています。

 ・「担当者」(ユーザー選択):ユーザー選択


Customineの設定


以下のステップでカスタマイズを作成していきます。

  1. フィールド値をクリアする
  2. フィールドに値をセットする
  3. フィールドを無効化する


1. フィールド値をクリアする

フィールドの値を編集した場合に、編集前の内容が残らないようにするカスタマイズを行います。手順は以下の通りです。

  • 「やること」でカテゴリー:フィールドの中から「フィールド値をクリアする」を選択します
  • 「フィールド」には「担当者(表示用)」を選択します
  • 「条件」には「フィールドの値を編集して値が変わった時」を選択します

  • 「フィールド」には「担当者」を選択します
  •  「一覧画面の鉛筆を押した時」は「一覧画面の鉛筆を押した時も含める」にしておきます


以下の設定になります。


2. フィールドに値をセットする

今回のカスタマイズのメインである、「ユーザー選択」フィールドで選択されたユーザーの名前を別のフィールドにコピーするカスタマイズを行います。

手順は以下の通りです。

  • 「やること」でカテゴリー:フィールドの中から「フィールドに値をセットする」を選択します
  • 「フィールド」には「担当者(表示用)」を選択します
  • 「値」には「= ユーザー選択.name」もしくは「${ユーザー選択.name}」を入力します。「フィールドを選択」から「担当者」フィールドを選択し、その下に現れる「表示名」を選択すると、自動的に「= ユーザー選択.name」と入力されます。
  • 「条件」には「他のアクションの実行が完了した時」を選択します
  • 「アクション」には「1」を選択します
  • 「一覧画面の鉛筆を押した時」は「一覧画面の鉛筆を押した時も含める」にしておきます
  • 「条件」を追加し、「フィールド値が特定の値ならば」を選択します
  • 「フィールド」には「担当者」を選択します
  • 「条件」には「等しくない」を選択します
  • 「比較値」は入力しません(自動的に「<入力されていません>」と表示されます)


以下の設定になります。


※ユーザー選択フィールドは複数のユーザーを選択することができます。値を「= ユーザー選択.name」もしくは「${ユーザー選択.name}」にすると、選択したすべてのユーザーのユーザー名をカンマ区切りでセットします。

もし、選択したユーザーのうち一人目のみセットしたい場合は「= ユーザー選択[0].name]もしくは「${ユーザー選択[0].name}」と入力してください。


また、「= ユーザー選択.name」と「${ユーザー選択.name}」の二種類の記述方法については式の記述方法をご覧ください。



3. フィールドを無効化する

コピー先である「文字列(1行)」フィールドを無効化することで、変更されることを防ぎます。

手順は以下の通りです。

以下の設定になります。




以上でカスタマイズは完了です!


「kintoneアプリへ登録」し、CSV出力を含めた動作を確認してみてください。


まとめ


今回のカスタマイズは、CSV出力を行った際にユーザー名が出力される、といった利便性に加えて、コピーしたユーザー名を用いることで一覧画面をユーザー名でソートすることも可能になります。